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2008年10月26日

三徳‐トップに立つ者の心得

三徳―人に備わるべき三つの徳とは?

三德:一曰正直,二曰剛克,三曰柔克。

三徳:一に曰く正直、二に曰く剛克、三に曰く柔克。

『書経(尚書)』[洪範]より引用。


『書経』は『尚書』とも呼ばれ、中国の政治史と政治のあり方を示した、中国最古の歴史書です。上記の文章は、政治倫理・道徳を説いた9個の指針である「九疇(キュウチュウ)」の6番目の一節で、『書経』の中の「洪範」に書かれているものです。

政治家や公務に携わる役人、あるいはリーダーとして先導する立場にある人や経営者など、中枢に位置する人物が持つべき三つの指針、それを三徳として表現している言葉だと思います。

三徳の意味するところは、(人の上に立つ者や人を導く立場にある者は、すべての民に対して)1つは正直でなければいけない。2つ目に、(正直さと志を貫くための)剛強な心を忘れてはならない。3つ目に、(剛克に偏らず、万民に対して)柔和な心を持ち続けなければならない・・・・・・というように解釈します。

「九疇(キュウチュウ)」は政治家の教科書的な存在として、長きにわたって読まれてきましたが、これを実行できた政治家は何人いたのでしょう。今では、「九疇(キュウチュウ)」すら知らない大臣もいるのでしょうね。知っていれば、あれほど厚顔無恥な振舞いもできないでしょうに。中国最古の古典ではあっても、今に通じるものは有ると思うのですが、現代の政治屋さんにとっては、無用なモノなのでしょうかね。上記の言葉は、一般ピープルにとっても意味のあるものではないかと、私なんかは考えております。

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