特立して独行す☆生き様を見せる!
『文章軌範』韓文公「與于襄陽書」
特立して独行す 。
特立而独行。
◎世の中の風潮や周りの雰囲気に流されず、自己の考えと確信を持って行動する。というのが、この文章の訳として適切ではないかと思います。
◎これを平たく言うと、 “生き様を見せろ”ってことではないでしょうか。「特立して独行す」という言葉は、一見すると自分勝手な独立独歩の異端者を意味する言葉のようにも思えます。しかし、自分勝手な独立独歩では孤立してしまいますから、特立ではなくなりますね。だとすると、実際には観察眼と見識の大切さと、その上に立った生き方をメッセージとする言葉だと思うのです。
◎数年前に「オンリーワン」という言葉が流行りましたが、「世界にひとつだけの花」として生きることの素晴らしさを歌ったものでした。しかし、実際には「オンリーワン」な生き方は理想であって、結果的には「エブリーワン」の中での気休め的な、個人的な世界に限定されたものだったように感じます。個人的空間と社会的空間とに生きる人間の、心の拠りどころのようなものを、恋人や友人や家族との関係の中に「オンリーワン」というカタチで具現化することを賞賛することだったと思います。
◎では、社会的空間における「オンリーワン」の在り方とは、どういうものなのでしょう。本当の「オンリーワン」を目指すためには、周囲の個々人が持つ個性や考えを知ることが大切なのではないでしょうか。最低限の常識やルールは別として、相手との個の違いを認めるところに、自己を特立させる場所が生まれると思うのです。多くの個を否定して、画一化され序列化された中では忘れられがちなことですが、個を認知するところにこそ特立があり、独行という「オンリーワン」の生き方が生まれるのだと思います。
◎私は会社という組織を離れて、隠遁的な偏業生活に身を置く者ですから、「オンリーワン」ではなくて単なる「アウトサイダー」であり、見る人によっては「敗北者」であるわけですね。こういった立場から申し上げるのは無礼ではあるのですが、「オンリーワン」とは組織に在ってこそ光るもの、意味のあるものだと考えます。組織の中に在って、そこからはみ出すことなく、しかも存在感を放つというのは、相手を認め己を知るところに始まると思うのです。「生き様」という「オンリーワン」な存在感も、そこに根ざすのではないでしょうか。
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☆ 前回の記事から3週間以上経過してしまい、「週に1~2回は更新いたします」と書いたことがウソになってしまいました。本当に、ごめんなさい。 希望的観測や、憶測は書かずに、努力いたします。
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