哲義繙無碌(てつぎはんブログ)とは、先哲の義訓を繙(ひもと)き記録したものです! 40代を前にして隠棲し、小商いと執筆生活に勤(いそ)しむ愚昧なる小隠が、先哲の教えを中心に、愚拙に解釈する趣味的無碌=ブログです☆

2008年4月5日

初志貫徹ってこと―騎虎之勢(きこのいきおい)

『五代史』唐臣伝/『隋書』后妃、独孤皇后伝より
[俚語に曰く]虎に騎(の)る者は、勢い下りるを得ず:[俚語曰]騎虎者勢不得下

背に人を乗せた虎は、それを落とそうと必死になって暴れ、虎の背に騎(の)る者は、振り落とされると食い殺される危険がある。一旦虎に騎(の)ってしまったら、最後まで、虎を仕留めるまで下りることはできない。

『隋書』后妃、独孤皇后伝では、「騎
者勢不得下」が「騎者勢必不得下」となっているようです。

漢和辞典の解説には、「虎に乗って走れば、非常な勢いなので途中でおりることはできない」と書かれています。「騎」という字には“馬にまたがる”という意味があるので、「
虎に乗って走れば」という表現になったのでしょう。

この言葉は、騎虎之勢(きこのいきおい)と言われ、一旦始めてしまったことははずみがついて、途中で投げ出すことはできない・・・・・・という意味で使われます。「
騎虎」、虎にまたがるというのは危険なこと、無謀なことだと予(あらかじ)め分かっていることですから、無理とか困難を承知で始めたことであれば、その思いは貫かなくてはならない、というくらいの気迫が込められているように感じます。

この場合、始めてしまった後の困難も予測しながら、最善の対応ができるようにしておく必要も生じます。途中で投げ出さずに遣り遂げることの重要さと崇高さを説いている言葉だと思います。ですから、軽はずみな行動をしてしまった時に使う表現ではありません。その場合には、「やめられない、とまらない~♪」というフレーズがピッタリでしょう。


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